abbraccio rossonero -赤黒の抱擁を- 2

ミランのこれからについて、とりあえずわかっていることだけを書く。まず株主総会の議題からわかること、次にPasquale Campopiano*1の記事を元に中国におけるマーケティングについて説明する。

 

 

 

株主総会

5月2日の官報でミラン*2株主総会の招集が公告された。5月18日と19日の10時30分からカーサ・ミランで開催される。議題をまとめると、以下の通りである。赤字の部分はIl Sole 24 OreのCarlo Festaによる情報であり、あくまで公式のものではないことに注意していただきたい。

 

①2016年度決算の承認

 

②定款第10条の変更

株主総会の少なくとも15日前に官報で招集を公示する必要がなくなる。

 

③定款第24条の変更

決算期を12月から6月に変更する。

 

④€60Mの増資

損失補填に回す。

 

⑤€60Mの増資(取締役会に権限を委任する)

大部分を補強予算に充てる。

 

⑥額面金額€73Mの債券発行

Prestito Obbligazionario Garantito Associazione Calcio Milan S.p.A. 2017 -2018 - Serie Iという非転換社債である。エリオットが引き受け、ウィーン証券取引所で売買される。BancoBpm、Intesa Sanpaolo、Unicredit、Cariparma等のイタリアの銀行から受けた融資を返済したために社債を発行して資金を調達する。実際に、マルコ・ファッソーネCEO兼ジェネラル・ディレクターは4月14日の記者会見で「エリオットの融資の一部を使い、13日にイタリアの銀行からの債務をすべて返済した」と述べている。また、2016年12月31日時点の貸借対照表から、負債の部の「銀行に対する負債」という勘定科目について、€73,001,233と記載されている。

 

⑦額面金額€55Mの債券発行

Prestito Obbligazionario Garantito Associazione Calcio Milan S.p.A. 2017 -2018 - Serie IIという非転換社債である。エリオットが引き受け、ウィーン証券取引所で売買される。調達した€55Mはメルカートに使われる*3

 

Gazzetta Ufficiale

 

carlofesta.blog.ilsole24ore.com

 

carlofesta.blog.ilsole24ore.com

 

carlofesta.blog.ilsole24ore.com

 

https://avvocatodeldiavoloblog.wordpress.com/2017/04/16/la-prima-conferenza-stampa-del-nuovo-ad-rossonero/

 

https://avvocatodeldiavoloblog.wordpress.com/2017/05/12/simulazione-bilancio-al-30062018-cruscotto-excel-3-0/

 

マーケティング

 

中国人の李勇鴻を会長に戴くミランは中国市場をターゲットにして売上高を伸ばそうとしている。そこで、中国にマーケティング専用の子会社*4を設立する。ミランというブランドを中国に広めるべく、現地の企業との様々なパートナーシップを締結することを目指すのである。社名はおそらくAC Milan Chinaというものになるだろう。経営陣はすべて中国人が担う。

 

www.pasqualecampopiano.com

 

luckmar.blogspot.jp

 

http://www.businessclubitalia.org/sites/default/files/eventi/documenti/milan_2008.pdf

 

Chi siamo | Stadio San Siro

 

結論

ミランはよそ様の資金を使うというリスクを抱えながら、2017/18の移籍市場で大型投資をする。その返済のためにも中国市場からたくさんお金を巻き上げよう。

*1:ミランの買収に関する本を出版する予定である。

*2:正式名称はAssociazione Calcio Milan S.p.A.である。訳語を当てると、「ミランサッカー組合株式会社」になる。

*3:Festaはミランの補強予算について、€115M(€60M+€55M)にバッカといった選手の売却益€30Mを加えた€145Mとしている。

*4:Associazione Calcio Milan S.p.A.は3つの子会社と1つの関連会社とともにGruppo Milanミラン・グループ)を形成している。1つ目の子会社は2003年12月12日に設立されたMilan Real Estate S.p.A.である。ミラネッロ、選手用のアパートメント、本社の管理をしている。2つ目は2005年10月1日に設立されたMilan Entertainment S.r.l.である。ミランという商標の部分的な使用について管理をしている。3つ目は2003年2月19日に設立されたFondazione Milan Onlusである。ミラン・グループのCSRとして慈善活動を行う公益財団法人のようなものである。また、インテルと50%ずつ出資した関連会社のM-I Stadio S.r.l.がある。サン・シーロやそれに関連する事業の運営をしている。2000年に設立されたConsorzio San Siro Duemilaという組合を2011年12月12日に有限会社に転換する形で設立された。