新加入FWの効率性を算出しよう(2)

前回に引き続き、新加入FWが移籍金€1mあたりいくら得点を挙げたのか検証しよう。今回の対象チームはローマとユヴェントスである。

条件は前回から以下のように変更する。理由は地元紙の報道のほうが精度が高いと考えたから。
③市場価値はtransfermarkt.it、移籍金はクラブの公式発表がなければ『La Gazzetta dello Sport』を参照する

③市場価値はtransfermarkt.it、移籍金はクラブの公式発表がなければ、ローマの場合は『Corriere dello Sport』、ユヴェントスの場合は『Tuttosport』を参照する


ローマ
ハメド・サラー
0.68点
14点 €20.5m(レンタル料€5m+買い取り額€15.5m)
エディン・ジェコ
0.53点
8点 €15m(レンタル料€4m+買い取り額€11m)
ステファン・エル・シャラーウィ
0.56点
8点 €14.4m(レンタル料€1.4m+買い取り額€13m)
ディエゴ・ペロッティ
0.3点
3点 €10m(レンタル料€1m+買い取り額€9m)
ヤーゴ・ファルケ
0.25点
2点 €8m(レンタル料€1m+買い取り額€7m)
サディク・ウマル
0.67点
2点 €3m(レンタル料€0.5m+買い取り額€2.5m)
総計
0.52点
37点 €70.9m

ユヴェントス
パウロ・ディバラ
0.475点
19点 €40m(ボーナス€8m込み)
マリオ・マンジュキッチ
0.48点
10点 €21m(ボーナス€2m込み)
シモーネ・ザッザ
0.28点
5点 €18m
フアン・クアドラード
2.67点
4点 €1.5m(レンタル料)
総計
0.47点
38点 €80.5m

クアドラードはFWで登録されていたので、一応追加しておいた。彼は買い取り義務も買い取りオプションも付帯しないレンタルでチェルシーから移籍したので、驚異的な効率性を記録した。彼の去就は気になるところで、『The Guardian』の2か月前の記事によると、コンテ新監督が彼の復帰を望んでいるようだ。果してどうなることやら…… Vedremo.
www.theguardian.com

サラーがミランインテル、ローマ、ユヴェントスの4チームの新加入FW19人の中で、クアドラード、ニアング(0.71点)に次いで最も効率良く点を取っていた。しかし、クアドラードが実際に起用されたポジションがFWではなかったことに加え、ニアングは1年を通して試合に出場できなかったことを考慮に入れると、実質、サラーがコスパ最強になるだろう。
費用対効果をチーム単位で見ると、ローマ、ミランユヴェントスインテルの順になる。しかし、実際の順位表ではユヴェントスが優勝し、ローマとインテルがそれぞれ3位と4位を獲得し、ミランは無残にも7位に終わった。効率性がいくら良くとも、試合に勝たなければ何の意味もない。€40mかかっても、19点取って優勝に貢献したディバラのほうが優秀だ。

2回に渡って、移籍金とゴール数というファクターから新加入FWのコストパフォーマンスを計測してきたが、Calcio e Finanzaというサイトが検証しているように、選手の給与と減価償却を足した総コストとゴール数を用いる方法のほうが2年目以降の選手との比較が可能という点で有用である。同サイトによると、マッカローネが€0.6mの給与と減価償却ゼロ(サンプドリアと双方合意のもとで契約を解消してエンポリに完全移籍した)で、13得点を挙げたので、1ゴールあたり€0.05mしかかからなかった。つまり、1ゴールに5万ユーロしかかかっていない。一方で、ルイス・アドリアーノは€2.20mもかかった……
www.calcioefinanza.it

最後に一言、サバティーニが敏腕すぎやしないか……