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カルチョと財務

マッシミリアーノ・アッレグリ「中盤3枚の特徴」 後半

マッシミリアーノ・アッレグリUEFA Pro Licenceの講座を修了するにあたって執筆した論文の日本語訳の後半部分である。さしあたり画像はオリジナルからトリミングしたものを使用する。前半部分は以下からお読みいただきたい。


schumpetercalcio.hatenablog.com


3. 逆三角形型4-3-3の攻撃
攻撃時における逆三角形型4-3-3の利点が三角形型4-3-3と比較して、いかなるものかを説明する。
前者の場合、両インサイドハーフによって、中央にもサイドにも飛び出すことが可能性が後者に比してかなり大きいことから、ボールより前により多くの人を送り込める、つまり、攻撃のソリューションの数がはるかに多いうえに、ボールを奪ってからより速く攻撃できる。
いくつか例を見よう。

1) 最初にボールのある地点とは逆のウイングと、ラストパスの出所とは反対の場所にいるインサイドハーフの飛び出し
①「7番」が「9番」に対して斜めにパスする。
②「9番」が後ろにいる「10番」に落とす。
③「10番」が後ろから飛び出してきた「8番」ないし「11番」にラストパスを送る。

図9
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2) 「10番」自らのフィニッシュ、もしくはラストパスの出所とは逆の場所にいるウイングとインサイドハーフの飛び出しからのフィニッシュ
①「11番」がボールをコントロールしてから「9番」にパスする。
②「9番」が飛び出してきた「10番」にパスを送る。
③「10番」は状況に応じて、自らフィニッシュを担うか、逆側から飛び出してきた「7番」あるいは「8番」にラストパスを送る。


図10
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3) 「2番」から「4番」へ、「4番」から「9番」へパスが入り、3つの選択肢がある
3a 直接「8番」にシュートさせる

図11
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3b 「7番」に預け、そこから「8番」がクロスを上げる

図12
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3c 「10番」か「11番」にパスする

図13
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DF4人と「4番」、直接的に攻撃に参加しないときは「7番」も、攻撃に関与はするけれども、相手のカウンターに備え、常にボールより後ろにいることが求められる。

このシステムを採用すると、前線3人とインサイドハーフ1人が攻撃に関わる一方、DF4人とレジスタは上述したように、常に(もしくはほとんど)ボールのラインの後ろにいる。
サイドバックは低い位置からしか組み立てに関与しないので、オーバーラップを通じた攻撃参加は頻繁にはない。
中央のゾーン、つまり攻守において急所であるゾーンにバランスを見出せるには比較的長い時間が必要なのは間違いない。つまり、両インサイドハーフレジスタ1人だけにピッチの真ん中を守らせないように攻撃参加をするべく練習で調整せねばならない。

4 三角形型4-3-3の攻撃
このシステムは、両ボランチが大抵4バックの前に残って、常に4バックを保護しているので、逆三角形型4-3-3と比べて守備的な特徴を持ち、明らかに後方の安定性とバランスが逆三角形型4-3-3よりある。
しかし、攻撃の選択肢が少ないので、ボランチを使いつつサイドバックもしばしば左右で代わる代わる動員される。
このシステムのほうが自陣にこもるチームを攻めるのに有効であるのは明白であろう。両ウイングがビルドアップを助けに落ちてくるうえに、4バックの前にいる両ボランチが閉じたディフェンスをこじ開ける機会をより広げうるからだ。
いくつかあり得るソリューションを見ておこう。

1) クロスを上げるサイドバックを深くに侵入させるために、逆サイドから組み立てる
①「3番」が下がってきた「8番」にパスする。
②「8番」が下がってきた「7番」にパスする。
③「7番」が「10番」にボールを預ける。
④「10番」が右サイドを上がった「2番」にパスを送る。
⑤「2番」が「9番」ないし「11番」、ゴールに向かって上がってきた「10番」にクロスを上げる。

図14
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2) 1)の逆サイドバージョン
①「2番」が下がってきた「4番」にパスする。
②「4番」が下がってきた「11番」にパスする。
③「11番」が「10番」にボールを預ける。
④「10番」が左サイドを上がった「3番」にパスを送る。
⑤「3番」が「7番」「9番」、ゴールに向かって上がってきた「10番」にクロスを上げる。

3) ウイングの一方がシュートする
①「2番」が下がってきた「9番」にパスする。
②「9番」が「10番」にボールを落とす。
③「10番」が中に入ってきた「7番」あるいは「11番」にラストパスを送る。

図15
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3) 「3番」の飛び出しを使う
①「5番」が下がってきた「7番」にパスする。
②「7番」が中盤に上がってきた「4番」にパスする。
③「4番」が、中央に入って「3番」が突くためのスペースを空けた「11番」にパスする。
④「11番」が「8番」にパスする。
⑤「8番」が左サイドを上がった「3番」にパスを送る。
⑥「3番」が「9番」「10番」「7番」にクロスを上げる一方、「11番」がエリア外に残る。

図16
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