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A Milan gh'è domà el Milan.

カルチョと財務、ときどきイタリア語

売るのは酷だが金になる

Calcio e Finanzaの記事を元に、ローマの財務特集の第2弾を書く。

 

www.calcioefinanza.it

 

第1弾は以下の記事である。

 

schumpetercalcio.hatenablog.com

 

 

15/16のおさらい

ローマはUEFAと締結したsettlement agreement(和解協定)により、14/15と15/16の2期にわたり損失を€30Mに抑えなければならなかった。ローマがそれぞれの期で計上した純損失は、€41.166M€13.984Mだった。これらを足せば€30Mを越えるので、ローマはUEFAとの合意を反故にしたことになるのではないか。だが、実際にはそうはならなかった。FFPにおいてはスタジアムや練習場の建設と改修、ユース育成などにかかった費用は除外されるからだ。かくしてローマは16/17において制裁を回避したのである。
なぜローマが純損失を€14Mほどに抑えることができたのか。理由は3つある。第1に、CLのGL突破である(決勝トーナメント1回戦でレアル・マドリードに敗退)。CLの放映権収入で€77.5Mも稼ぎだした。第2にピャニッチユヴェントス移籍である。売却益は€28Mだった。第3にロマニョーリミラン移籍が挙げられる。ローマは€23Mもの売却益を得た。もはやローマにとってCL出場と選手売却が生命線なのだ。

 

16/17の状況

ローマは前2シーズンで損失を€30Mに抑えたものの、まったく安心できる状況にない。settelement agreementにはもう1つ重要な条項がある。17/18までに収支をイーブンにしなければならないのだ


マウロ・バルディッソーニGDは冬のメルカート期間に以下のように語った。
「選手を売却してから資金を投入することが、FFPの規則を守りつつ高いレベルの競争を維持する方法である」
これを一言に要約すれば、「売ってから買う」である。実はミランメルカート方針と同じである。この方針を採らざるをえない理由は2つある。それは前シーズンの裏返しでCL予選の敗退と売却益の少なさである。


まずはCL予選の敗退について触れよう。15/16に3位でシーズンを終えたローマは、16/17のCLの予選でポルトと対戦し敗戦を喫した。そのためELの出場に回ることになったが、このことが昨シーズンのように€77.5Mも得ることを難しくしている。まずCL予選の参加で€3M、その敗退で€10M(market pool*1から)を手にしている。そして、ELの参加給として€2.6M、GLの3勝3分で€1.44M(1勝あたり€0.36M、1分あたり€0.12M)、1位のボーナスとして€0.6Mを得た。それから優勝すると仮定すると、さらに€10.35Mも賞金が増える(決勝トーナメント1回戦進出で€0.5M、決勝トーナメント2回戦進出で€0.75M、準々決勝進出で€1M、準決勝進出で€1.6M、優勝で€6.5M)。つまり、CL予選からの敗退後、3勝3分でGLを突破したローマはELで優勝すると、€27.99Mを獲得できる。この計算ではELのmarket pool*2を無視しているため、値はさらに増えるものの、その規模はCLのそれに劣るため、€77.5Mには到底及ばない。


次に売却益について述べる。15/16に売却益・売却損の項で€77.5Mを計上したものの、16/17ではリャイッチサナブリアクレッシェンツィの売却でまだ€8.5Mしか売却益がない

ヤーゴ・ファルケの売却もそれらに加えわずか€0.3Mの売却益しかもたらさない。


収益の足りないローマの対応策として3つの手がある。
新規のスポンサー契約、既存の契約の更新で商業収入を増やす
冬のメルカートは買い取りオプション、買い取り義務が付帯したレンタルで費用の計上を17/18に先送りにし、CL出場あるいは選手売却でその分を埋める
給料と減価償却*3が大部分を占める販管費を抑える(その2つが15/16の売却益を除いた売上高の85.7%を占めた)
②に関して言えば、リヨンから買い取りオプション付きレンタルでグルニエを獲得している。
③に関して言うと、まず給料は減少している。昨シーズンは€110Mほどかかった給料もLa Gazzetta dello Sportによれば€97Mに抑えられている。一方、減価償却費はジェルソンエル・シャラーウィリュディガーアリソンヌーラサディクギョンベールの完全移籍によって€2.5Mほど増加している。他にレンタル費用は€16.9Mから€8.2Mに減少するも、レンタル収入は昨シーズンとさほど変わらない€6.7Mを計上した。

 

17/18に向けて

夏のメルカートでローマは昨シーズンと同様に大きな売却益を生み出せる、つまり、売却額と帳簿価額の差が大きい選手を犠牲にするだろう。その条件に当てはまる選手はナインゴランマノラスストロートマンリュディガーパレデス、フロレンツィである。ただフロレンツィがローマから離れることはありえないので、実質は彼を除いた5名であろう。それぞれの帳簿価額は、€6.758M€6.413M€6.9M€4.028M€3.655Mである。売却額から帳簿価額を引いた値が売却益であるから、マノラスを例にとると、仮にローマが彼を€45Mで売却すると、€38.587Mもの売却益を計上できる。

 

結論(私論)

ローマは苦しい。質のいい選手を抱えながら毎年、誰かを犠牲にせざるをえない構造的欠陥を抱えている。新スタジアム建設が遅々として進まない*4状況にある以上、

商業収入を増やす

毎シーズン、CLで一定の成績を残す

という2点が生き残りのキーポイントとなる。

 

財務面から見れば、少なくとも数年はユヴェントスが覇権を握り、古きパトロン型経営でありながらFFPに順応しているナポリがそれに追随するであろう。その体制に風穴を開けられるのは、FFPが遵守できた場合のインテルとクロージングが成功した場合のミランだ。ローマは先に述べた課題をクリアし続けない限り、3番手から落ちることは大いにありうる。

*1:CLのmarket poolについては、以下のニュースを参照

jp.uefa.com

*2:ELのmarket poolについては、以下のニュースを参照

jp.uefa.com

*3:下記のツイート参照

*4:下記のツイート参照

「頑張ってや」「ほな」以外は事実である

長興産SESの買収スキーム 香港とルクセンブルクのSPV仕立て 手付金の出所を添えて

今回は、主にCalcio e FinanzaとIl Sole 24 Oreの記者Carlo Festaによる記事に基づき、手付金(12月13日に支払われた2度目の€100M)の出所に触れながら、ミランの買収スキームを解説する。

www.calcioefinanza.it
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www.calcioefinanza.it
carlofesta.blog.ilsole24ore.com
www.corriere.it


会社一覧

まずはミランを買収する予定にある投資ファンドとそのファンドが設立した特別目的会社SPV)を一覧にして紹介する。似た名前の会社ばかりなので、以後混同しないように読み進めていただきたい。

Sino-Europe Sports Investment Management Changxing Co. Ltd.(SES)
所在地 長興
設立 5月26日
資本金 1億人民元(およそ€13.7M)
実質的にミランを買収するとされる投資ファンドである。政府系ファンドHaixia Capitalが参画することと会長がYonghong Liという人物であること以外は不明である。

Rossoneri Sport Investment Co., Limited
所在地 香港
設立 6月28日
資本金 10万香港ドル(およそ€12,000)
株主 Rossoneri Changxing Sports Investment Management Ltd.(後述)
創業者 Chen HuashanYonghong Liの協力者の1人、おそらく彼の弁護士)
SESが設立したSPVとされる。

Rossoneri Champion Co. Limited
所在地 香港
設立 2016年9月26日
資本金 1香港ドル
株主 Chen Huashan
SESが設立したSPVとされる。

Rossoneri Changxing Sports Investment Management Ltd.
所在地 長興
SESが設立したSPVとされる。

Rossoneri Sport Investment Luxembourg S.à r.l.
所在地 ルクセンブルク
設立 2016年12月21日
資本金 €12,000
株主 Orangefield (Luxembourg) S.A.(信託会社)
SESが設立したSPVとされる。

手付金の出所

タックス・ヘイヴンとして名高いヴァージン諸島のトルトラ島に所在地を置くWilly Shine International Holdings LimitedがRossoneri Championの資産を担保にして(設定者はRossoneri Sport)、8億3000万香港ドル(およそ€102M)をRossoneri Championに貸し付けた。その後、Fininvestに対してRossoneri Championから2度目の手付金€100Mが振り込まれた。つまり、手付金の出所は中国ではなくヴァージン諸島だった。

買収スキーム

資本を移動するための許可がクロージングの期日である3月3日までに中国政府から下りないであろうと言われている。つまり、中国からイタリアに送金できないことになる。そこで香港あるいはオフショア(必ずしもヴァージン諸島とは限らない)にある資金を使うだろう。
買収スキームは以下の通りである。
Rossoneri SportRossoneri Sport Investment Luxembourgの全12,000株を12月21日にOrangefieldから取得した(それに伴い、Chen HuashanRossoneri Sport Investment Luxembourgの取締役になった)
Rossoneri Sport Investment Luxembourgが3月3日までにFininvestからミランの株式99.93%を取得する

簡単に支配関係を図示すると以下のようになる。
Rossoneri Changxing Sports Investment Management
↓100%
Rossoneri Sport Investment
↓100%
Rossoneri Sport Investment Luxembourg
↓99.93%
Milan

マルディーニのインタビュー

本日のLa Gazzetta dello Sportに、パオロ・マルディーニの独占インタビューが掲載されたので、全文翻訳した。とても長いので、注意されたし。

 

マルディーニ立場を明確にするために私はその場としてガッゼッタを選んだ。つまりはこういうことだ。怒りや恨みのメッセージではなく、私の考えを明らかにするためのメッセージなのだ。私はファッソーネをとても尊敬していることをまず強調しておく。そして、彼は複雑な任務を抱えている。彼とはこの1ヶ月の間に4度、会談の場を持った。私が最初かつ唯一の選択だと彼は言い、その理由を説明した。私の人生と歴史が彼らの決定のベースにあるということだ。私がミランのためになしてきたことすべてに重要な重みがある。しかし、積み重ねてきた歴史がある手前、私がミランに入ることを受け入れるのは、自分の理想に従ってこそなのだ。このクラブを深く愛しているし、自分の心と頭に耳を傾けることでしかミランを助けることはできない。ミランのために、私は私のままでいなければならない。浮かび上がった問題について? オーナーの正体を知ることなく一定の責任を背負うことは私にはできない。新しいオーナーと知り合い、プロジェクトを共有し、戦略について話し合い、彼らの目標と指針を聞きたい。私にはそれが最低限のように思える。ファッソーネの他に誰と会ったか? ファンドの副会長であるデヴィッド(ハン・リー 編集者註)だ。彼だけが英語を話せる。だが、10分間のお喋りをしただけだ。私がミランに戻ることを強く望んでいると言ってくれた。それ以上の話はしていない。私がいくつか条件を提示したか? それを条件と呼ぶのかどうかわからないが、私を求めているのは彼らであるからして、私がいくつかのことを要求したのは正当なことだ。明らかな2つの障害がある。テクニカル部門において直接の責任が欠けていることとその役割について不明確であることだ。私をテクニカルディレクターに? そうだが、何の意味があるのだ? 彼らが私に提示してきたのは、ファッソーネがCEO、私がTD、ミラベッリがSDの体制だ。しかし、重要なのは、私が何をするのかだ。私とミラベッリが編成部門を運営するはずなのだろうが、誰が決定するのかという点において違いはあるのか? 他の人と役割を半々にすることは私にはできない。すぐに問題に直面することは避けられないように思える。知らない人について判断することはしたくないが、編成上のプロジェクトの共有を私は要求する。そういうプロジェクトは今日、ミランに存在していないのだが。したがって、オーナーについて知り、彼らから直接、私に何を期待するのか言ってもらい、プロジェクトを私と共有するように求めた。私たちは問題を精査したか? 私が知っているのは、自分とともにファッソーネとミラベッリがいるだろうということだけだ。しかし、現状では役割が多くの面で被りそうである。多いどころか多すぎるくらいだ。目標はミランを世界でトップ5のチームに戻すことだと言われた。だが、このことはずっと1日24時間働くことを意味する。私はその準備ができているのだが、状況がどうなっているのかよく知らなければならない。回答期限はあるのか? ない。しかし、近日中にいずれにせよ、すべてがはっきりするだろう。急いでいないし、そのプロジェクトの大きさを見たことに本当に意味もないのだ。彼らから知りたいのは、ミランのために何をするつもりなのかということだけなのだ。それから、私は責務、信用、その色への愛情、時間、プロジェクトの共有、仕事を引き受けるだろう。私がファッソーネを差し置くのを望んでいると言われていることについて? それは真実ではない。ファッソーネは全くもって信用できるし、彼に白紙委任されていることを理解している。彼は私に対してとても親切だったし、実に素晴らしいことを言ってくれた。だが、私が新しいオーナーと向かい合いたいのは普通のことだ。つまり、オーナーが赤と黒の色と私と一体であるかどうか感じることは重要なのだ。金銭の面で不一致があったか? それは間違っている。私たちはお金について話し合ったことは決してない。私の実際の役割が何になるのか、まず彼らが言ってこないかどうか見定めるにはどうしろというのだ? 4度の会談で私たちは最初のハードルを超えることは決してなかったのだ。彼らはまだ私の要求を受け入れていないか? おかしいと思うが、そういうことだ。繰り返すと、プロジェクトを共有し、彼らが私に何を望むのか彼らの口から言ってもらう必要があるのだ。その仕事は複雑だが魅力的であろう。表舞台に戻るためにここ数年の穏やかな生活を擲つことになるので、私はオーナーからすべてを知らなければならないのだ。最終的に戻ってくるか? それは彼らに聞くべきだ。今のところ多くの噂があるも、明らかになっていることはほぼない。私が戻ると言われていないが、その可能性はある。しかし、明確な役割とプロジェクトの共有があって初めてそうなる。ベルルスコーニの偉大なるミランに起きていたことと同様だ。返答しなければならないのは、私から彼らに対してではなく、彼らから私に対してである。自分が複雑な人間であるかもしれないことに私は気づいているが、この性格とカルチョと人生への自らのアプローチによって、今の私があるし、自分はピッチに立っていたのだ。そして、私にはそうである義務がある。これがミランだ。ふざけているのではない

ベルルスコーニの手紙全訳

先日、ツイートしたベルルスコーニの手紙の全訳をまとめておく(原文はこちら)。

 

すべてのミランティフォージ

 

30年前、私はミランを愛ゆえに買収した。ますます大きくなる愛情の行為として私はミランを売却する。私がチームを託すのは、ミランが国際的な強豪クラブとまた戦えるのに必要なリソースを備え、それを投資する意欲のあるグループだ。

もちろん感極まっているし、心が痛んでいる。しかし、もう一度ミランの利益になるように行動したことを確信しており平穏でもある。私はミランのファンの中で最も熱心な者であり続けるだろう。

この30年の驚くほどの思い出は私の心に残るだろう。そして、それは二つとして同じものはない。私はミランを世界で最もタイトルを獲ったクラブにせしめるまでに自分の愛するチームを率いる特権を享受した。次々に現れた偉大な選手、監督、クラブ幹部のことは忘れないし、彼らに感謝している。彼らの多くは永遠にカルチョの伝説の一部となる。我々はイタリア、ヨーロッパ、そして世界で成し遂げた並外れた勝利によって、その伝説を書き記すことに貢献してきた。

しかし、決して忘れることのないのはとりわけティフォージの関与と愛情である。赤と黒という色に対する何百万もの人の情熱は、このチームを特別にならしめるには決定的だった。このチームは、他のどのチームよりも違ううえに強い。そして、嫉妬、不正、逆境よりも強い。私は彼らと喜ぶためにスタジアムにいるだろう。もしかすると苦しむためかもしれない。しかし、私は確信している。まもなく我々が新たなる偉大な成功をともに祝うことを。その成功によって、ミランがその偉大なる伝統を称えることができるだろう。あなた方一人一人に固く、そして赤黒の抱擁を。

 

最後に30年のお金に関するデータを少し書いておく。ベルルスコーニ体制の30年で積み上げたミランの純損失は€785.25mで、ベルルスコーニ(フィニンヴェスト)がミランに投資した額は€865.47mである。ミランの株99.93%を売るので、投資額の半分以上の€519.63m*は取り戻せる。

 

*ミランの評価額は負債€220m込みで€740mなので、

(740-220)×0.9993=519.63

 

LIVE ACinese Milan

※報道の発信元を新華社に修正した(9月6日)

 

いやはや、驚いた。前々から聞いていた名前とは違うところと仮契約締結してしてしまったから。何やかんやであの爺さん、常に腹に一物抱えている。また一杯食わされた。彼は30周年記念にふさわしいサプライズを提供してくれた。かくしてベルルスコーニ朝は中華帝国禅譲される。

 

Grazie Cavaliere.

 

では、8月5日の一連の経緯に関するツイートを時系列に並べて訳していく。

 

フィニンヴェストが復星との交渉を否定する公式声明を発表した。

 

La Gazzetta dello Sport

復星とメンデスがミランを買収した際、ベルルスコーニは名誉会長として留任し、ガッリアーニも残る。しかし、メンデスはアトレティコ・マドリードのベルタや元モナコカンポス等、彼の腹心をdsとして送り込む。

 

Corriere.it

ミランは、ガンチコフとガラティオートがアドバイザーとして関わる中国のコンソーシアムと100%の売却に関して合意に達した。金額は€700m近くになる。サインは直になされる。中国側の使者がベルルスコーニがヴァカンスで滞在するヴィッラ・チェルトーザ(サルデーニャ)に到着する。

 

Repubblica.it

Han Liの率いる北京のコンソーシアムと100%の売却で合意に達した。

 

MilanNews.it

フィニンヴェストのCEOダニーロ・ペッレグリーノはベルルスコーニの別邸に到着する。

 

la Repubblica

金額は負債€230mを含む€700m近くになる。この数日、決定的に交渉が進んだ。グスターヴォ・ゴメスの獲得を解除したことは、両者が合意に達したことを意味する。

筆者註 この記事は今朝、発行されたla Repubblicaによるものなので、言及しているのはHan Liのコンソーシアムなのか要確認と考えられる

 

Repubblica.it

売却先はSino-European Investment Management Changxingという特別目的事業体である。1年以上も続いた交渉が進展したのは、メルカートを再開するためでもある。

筆者註 売却先を説明する以外は、フィニンヴェストの公式声明をただ説明しているだけなので、省略する

 

Sino-European Investment Management Changxingがミランの株式を100%取得する。仮契約は締結され、これからの3年で€350mが投資される。

 

ヴィッラ・チェルトーザで仮契約が締結された。

 

Han Liが代表を務める中国のグループに€740mで売却される。

 

筆者註 フィニンヴェストの公式声明をただ説明しているだけなので、内容は省略する

 

ミランを引き継ぐコンソーシアムはガンチコフとガラティオートのものではないことがヴィッラ・チェルトーザから裏付けが取れた。

 

Gazzetta.it

今朝、フィニンヴェストと中国のコンソーシアム(ガンチコフとガラティオートがアドバイザーを務めるそれとは異なる)の間でサインがなされた。フィニンヴェストが持つミランの株99.93%を購入するために、負債€250m込みで€700mを中国側は投じる。

 

MilanNews.it

Han Liの率いる一団は、元々ガラティオートのコンソーシアムに属していたが、3週間ほど前に関係が壊れた。

 

Milan TV

ベルルスコーニサルデーニャで新たな買い手を迎え入れる準備はできている。

彼は後で皆を驚かせるためにすべてを隠し通すことに成功した。

 

MilanNews.it

€740mの支払いは3回の分割払いとなる。支払い時期は以下の通りである。

1回目 2週間後

2回目 9月

3回目 11月

 

フィニンヴェストから公式声明が届いた。

筆者註 前述のツイートからわかるように、マスコミにはすでに公式声明が通達されていたと考えられる

 

フィニンヴェスト公式声明の抄訳(オリジナルはこちら)

フィニンヴェストCEOのダニーロ・ペッレグリーノと中国人の投資家グループの代表Han Liの間で結ばれた仮契約をシルヴィオ・ベルルスコーニが承認した。契約の内容はフィニンヴェストに属するミランの株式99.93%の譲渡である。

投資家はSino-Europe Sports Investment Management Changxing Co.Ltd.(以下、Sino-Europe)を通じて取引を行う。参画しているのは、国家開発投資公司のファンドであるHaixia Capital、Sino-Europe会長で主な出資者のYonghong Li、その他投資家である。フィニンヴェストはLiと長期間、今日の調印まで交渉にあたった。

今年の終わりまでにクロージングがなされる。

ミランの評価額は負債約€220mを含め€740mになる。

3年で€350m(クロージング時に100m)の資金が増資、資産面や財政面の強化のために注入される。

また、手付金として€100m(仮契約締結と同時に€15m、35日以内に€85m)が払われる。

中国側の財務アドバイザーとしてRothschild & Co、法務アドバイザーとしてGianni, Origoni, Grippo, Cappelli & Partners、フィニンヴェストの財務アドバイザーとしてラザードとBNPパリバ、法務アドバイザーとしてキオメンティ法律事務所が携わっている。

 

MilanNews.it

ラティオートとガンチコフのコンソーシアムに内紛が生じたのは、将来の経営の構成とガンチコフの役割について問題が発生したからである。

 

Milan TV

ベルルスコーニが直に声明を出す可能性がある。

  

新華社(報道時のアカウント名はTeam China)

左がHan Li、右がYonghong Liである。

 

年末のクロージングの後に元インテルのマルコ・ファッソーネが新CEOに就任する。

 

Agi(イタリアの通信社)

ベルルスコーニミランの売却は痛ましいが必要な選択だ」

 

Fine

Nicholas GancikoffとSalvatore Galatiotoという男

今回はミランの売却交渉において、重要な役割を果たしている2人の人物であるニコラス・ガンチコフ(Nicholas Gancikoff)とサルヴァトーレ・ガラティオート(Salvatore Galatioto)について簡単に紹介しよう。本来はミランの事前契約が締結されてから書こうと思ったが、8月半ばになるらしいので、もう載せてしまうことにした。

 
 
まずはガンチコフの経歴から。42歳のイタリア系イギリス人であるガンチコフは、オックスフォード大学を経て、コロンビア・ビジネス・スクールでファイナンスと不動産を専門に学び、スポーツのファイナンスに関わる最先端の知識を習得した。また、そこでガラティオートと知り合った。彼は2010年からSolar Investment GroupのChief Investment Officerを務めている。その会社はミラノに本社があり、主に再生可能エネルギーを扱い、イタリアを含む15の国でプラントに20億ユーロ以上の投資をしている。彼はまたSports Investment Groupというスタジアムの建設やM&Aコンサルティングを手掛ける会社の社長でもある。2009年にインテルの新スタジアム計画に取り組んだが、計画は頓挫した。他にもジェノアサンプドリアボローニャアタランタがその顧客であった。そうした事情から彼は中国グループのアドバイザーを務めることになった。
 
 
次はガラティオートの経歴について。彼はシチリアのカステッランマーレ・デル・ゴルフォに生まれ、6歳のときにアメリカに移住しブルックリンで育ったイタリア系アメリカ人である。ソシエテ・ジェネラルリーマン・ブラザーズなどを経て、2005年からGalatioto Sports Partnersの社長としてスポーツのファイナンスやアドバイザリーを手掛けている。要するに、スポーツ専門の投資銀行マンと言ったところであろうか。顧客には数々の4大スポーツリーグのチームが名を連ねる。
 
 
普段はアメリカにいるガラティオートに代わって弟子のガンチコフがミラノで交渉にあたっており、ミランメルカートにも関わっている(もはやアドバイザーの役割を越えている)。Corriere della Seraによれば、ベルルスコーニ体制が終わると、ガンチコフが新CEOになりバルバラは去るとされている。一方、ガッリアーニとの二頭体制が継続されるのかどうかという問題も残っている。彼はテクニカル部門の専門家ではないので、ガッリアーニが去る場合、その代役がいないと、マンチェスター・ユナイテッドのウッドワードのようにメルカートで代理人や他クラブにカモにされる気がする。彼には専門分野たるスタジアム建設の面で大いにお働きになることを願おう。
 

Sky Sportの記者紹介

メルカート真っ盛りの季節なので、Sky Sportのジャーナリスト(のどうでもいいこと)を紹介する。セリエA好き向けなのでご了承ください。
 

Peppe Di Stefano @PeppeDiSte

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エデル(・チタディン・マルティンス)に似たミラン番記者。ミラネッロ、カーザ・ミランサン・シーロだけでなく、ガッリアーニが選手、代理人や他クラブのSDと会談しているホテルやレストランから新加入の選手や監督が降り立つミラノの駅や空港まで、どこまででも出向く。昨年のコンドグビア大騒擾の辺りに太った気がしないでもない。今夏はメルカート+売却交渉も追いかけるので、もっと太りそう。ミランよ、彼を安心させて痩せさせるんだ……

 

Manuele Baiocchini Twitter@ManuBaio Instagram: @manubaio

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ローマとラッツィオに強し。今夏は特にラッツィオのメルカートビエルサ(彼は訛りでビエルツァと発音する)との交渉を報道してくれた。サナブリアのベティス移籍も彼の報道が早かった。ビエルサ魔の48時間の後にロティートとターレを困惑させたという噂の獲得リストをスクープし、一部のフットボールファンを震撼させた。ロティート会長の下、調所広郷や村田清風の改革を参考にしたという炎の23年€140m返済計画が進行中のラッツィオにあれは酷だろ…… インスタグラムが飯テロ兵器と化しているので、注意されたし。
 
 
Alessandro Bonan @AleBonan

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後述するGianluca Di MarzioValerio Spinellaの3人で23時からCalciomercato - L'originaleという番組に出ていることしか知らない。申し訳ない。
 
Valerio Spinella a.k.a. Faina @fains

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小柄でクソ派手な服を着たベッカムみたいに声の高い人。ふざけて書いたが、実際にSpinellaではなくFaina(イタリア語でムナジロテン)と呼ばれている。テクノロジーの神らしく、FaynAppという空想のメッセンジャーで選手や監督、SDのやりとりを茶化すというコーナーがあった。
 
 
Fabrizio Romano @FabrizioRomano
端正な顔立ちの兄ちゃん。高級紙『The Guardian』でも記事を寄稿しているため、英語のツイートも多く、イタリア語わからない人でもフォローする価値あり。
 
Mario Giunta @MarioGiunta

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こいつも若い兄ちゃん。特になし。ごめん。
 
Alessandro Alciato @AAlciato

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執筆活動にも積極的な39歳。コンテ、アンチェロッティ、フェッレーロ、マッツァッリに関する本を出版した。ピルロの自叙伝『Penso quindi gioco』は日本でも『我思う、ゆえに我蹴る。』として発売されている。
 
Angelo Mangiante @angelomangiante
なぜか今年の2月1日にミラノのAtahotel Executiveではなく、ローマにいたおっさん。理由は知らん。EURO 2016の取材でパリから中継していたときに、警察がスリを追いかける場面に遭遇し、ポグバの話ではなく警察24時みたく警察の追跡劇をレポートする羽目に。あ、犯人は無事捕まったそうです。
 


EURO 2016-LO SCIPPO DURANTE IL COLLEGAMENTO SKY CON ANGELO MANGIANTE (SKYSPORT)

 

Luca Marchetti @LucaMarchetti

特に情報はない。アッレグリ(の物まね芸人)にインタビューしていた。イタリア人、物まね上手いよね。訛りを容易に聞き分けられるような耳がいい人が多い気がする。友人にフェッレーロ会長の物まねがめちゃくちゃ上手いやつがいたのを思い出した。

 


Luca Marchetti intervista Max Allegri

 

Guglielmo Cannavale @GugliCannavale

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GianlucaDiMarzio.comの一員。ファンタカルチョ大好き。

 

Gianluca Di Marzio @DiMarzio

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やっぱり最後はこの人。イタリアのみならずヨーロッパで知られた最強メルカート記者のハゲ。実は法学部卒。数多くの代理人、クラブ上層部、選手、監督と築いたコネから、スクープを連発している。父親のGianniが元監督・SDで、今でもパレルモのザンパリーニ会長の助言役としてトップチームの評価をしていることもその関係の構築に役立っているだろう。Twitterで質問したら、たまにリプライをくれる。今冬はペルージャによるロランド・ビアンキの獲得交渉について教えていただいた。だが、アックァフレスカの鳥栖加入の話は3回質問しても無視された(;^ω^) メルカートの時期は締切日まで、夜中も働いているので、「寝てへんのか」「休んでくれや」と応援リプライを送ると、ファボをくれる。今年の1月14日、彼の偽アカウントのツイートをSky SportがRTするという珍事が発生した。ちなみに、ツイートの内容は「アッレグリがマロッタにモントリーヴォが獲得可能か尋ねる」というものだった。ああ、真実であればよかった。

 

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